さといも(里芋)
さといものふるさとは、インド東部からインドシナ半島の熱帯地域と言われています。そこから南太平洋方面に伝わったものはタロ芋になり、寒さに比較的強い種類が中国や日本に伝わりました。日本では、縄文時代の中頃に人々の住む里で栽培されるようになり、それまで山でとっていた野菜の山芋と区別して「さといも」と呼ばれるようになりました。旬は秋~冬。九州では冬~春に生産が盛んです。さといもの特徴は、ガラクタンとムチンというぬめり成分。他のいも類よりもエネルギーが少なく、カリウム含量が多いという特徴も。(※1)さといもには葉柄を食べる品種もあり、「ずいき」「いもがら」とも呼ばれます。茎は地中にあり、茎にでんぷんが蓄えられたものが親芋、親芋から出てくるのが小芋です。
(※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)エネルギー、カリウム
食材のトリビア情報
- 【さといもがヌルヌルしているのはなぜ?】
- さといもの皮をむくと身がヌルヌルします。このヌルヌルの正体は、水に溶けるとドロドロのゲル状に変化する水溶性食物繊維です。また、さといものでんぷん粒子はじゃがいもやさつまいもの粒子の数十分の一と小さく、加熱するときめ細やかに糊化します。これらの特性から、さといもに熱を加えるとなめらかな食感の料理になるのです。
知っておきたい基礎知識
旬な時期 | 9月~12月 |
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栄養素トピックス | でんぷんなどの炭水化物は全体の約10%で、じゃがいもやさつまいもなど、他のいも類に比べると低エネルギーです。また、カリウム(※3)の含有量は芋類のなかではトップクラスです。(※1) (※1)日本食品標準成分表2015年版(七訂)炭水化物、エネルギー、カリウム |
選び方 | 泥つきで湿った感じのものは味も鮮度も良く、丸く太っているものが美味しいとされています。おしりの部分がふかふかしているものは、傷んでいるため避けましょう。 |
保存 | 泥つきなら新聞紙に包み、湿気が少なく寒すぎない場所に常温で保存します。洗ったものは傷みやすいため2~3日で食べきりましょう。 |
調理ポイント | ぬめり成分が出すぎると、味がしみ込みにくくなったり、アクに含まれるシュウ酸で肌がかぶれることがあるため、さっと下茹でをするか、塩で軽くもみ、水洗いしてから調理するとよいでしょう。 料理によっては、まず揚げてから煮込むと形が崩れず、コクが加わります。 |
品種や種類 | さといもの仲間には、根が長い「京いも」、関西で親しまれている「えびいも」などの品種があります。「京いも」は煮崩れしにくいため含め煮などに、「えびいも」は厚めに皮をむいて煮物や揚げ物がおすすめです。 |
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